■ブドウの収穫を祝う「ハーヴェスト・フェスティヴァル」
【2003年3月8日】
シドニーから車で約2時間のところにあるハンター・ヴァレーは、オーストラリアを代表するワイン産地のひとつ。例年1月下旬〜3月はブドウの収穫時期にあたり、各ワイナリーのワインメーカー(醸造家)は、天候の変化に一喜一憂しながら、慎重に収穫日を見極める。フルーティーで力強いオーストラリアのワインは、糖度の高い完熟ブドウから生まれるからだ。
数日前にハンター・ヴァレーに出かけてみたところ、ごく一部のワイナリーを除いて、今年の収穫作業はほぼ完了していた。いくつかのワインセラードアで聞いた話によると、2月末に降った雨の前に摘み取ったところが多かったらしい。去年から今年にかけては深刻な干ばつが続いたため、収穫量はどこも1〜3割減とはいうものの、太陽の恵みのおかげで、早い段階で凝縮感のあるブドウができたのかもしれない。ブドウがまだぶら下がっている畑のあったブティック・ワイナリーでは、2月の雨は心配したほどの雨量ではなく、その後に好天が続いたので、今年のブドウはかなり期待できると話していた。
ヴィンテージ2003が市場に出回るのは、まだ先のことだが、3月〜4月の2ヵ月間は恒例の「ハーヴェスト・フェスティヴァル(収穫祭)」が開催されている。ワイナリーによっては、摘み取ったばかりのブドウジュースの味見をすることも可能で、ワインメーカーによる試飲講座や、ワイン樽製造業者のデモンストレーションなど、趣向を凝らしたさまざまなイヴェントが行われ、ブドウ畑でのコンサートやディナー、星空の下の映画上映など、エンターテイメントも盛りだくさんに用意されている。
この時期ならではの体験がしたければ、「一日ワインメーカー」として、ワイン醸造過程に携わることができる"Be a Winemaker for the
Day"というプログラムがおすすめ。発酵期間を経て、後日ワインが完成すると、ワインメーカーとして参加者本人のサインが入ったマグナムボトルを郵送してくれるのだそうだ。
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
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