ホームオーストラリアの最新ニュース > 過去のニュース


パンパシ閉幕
【2002年8月29日】

パンパシが閉幕した。コーチとの決別が噂されているイアン・ソープ選手は、相次ぐトーナメントのせいか疲労の色が濃く、インタビューでも珍しく「疲れている」を連発していた。それでも結果は金5個プラス銀1個と上々。

ナンバーワンを目指していたオーストラリアのメダル獲得数(金11、銀14、銅3)は、残念ながらアメリカに次ぐ2位に終わったが、注目のリレーでも男女とも金メダルを獲得し、水泳大国の実力を見せつけた。


パンパシでのイアン・ソープの活躍に期待
【2002年8月20日】

オーストラリア水泳界で、人気・実力ナンバーワンのスイマー……といえばご存知イアン・ソープ選手。昨年、福岡で開催された世界水泳選手権大会では、金メダルを6個獲得しただけでなく、世界記録を4つもマークして大いに注目を浴び、日本での知名度も急上昇したのは記憶に新しい。今年3月には「オーストラリア観光親善大使」に任命され、オーストラリア観光をPRするために、日本の新聞や雑誌広告、駅貼りポスターなどにも次々と登場している。

そのイアン・ソープも出場する注目のイヴェントが間もなく横浜で開催される。「パンパシフィック水泳選手権大会横浜2002」略してパンパシである。日程は、2002年8月24日から29日まで。日本をはじめ、オーストラリア、アメリカ、カナダ、中国など太平洋圏のトップスイマーが一堂に会する大イヴェントだ。

小さい頃は塩素アレルギーがあったというイアン・ソープだが、初めてナショナルチームに選ばれた97年パンパシ福岡で、いきなり銀メダル2個を獲得(ちなみにこのときはまだ14歳)したのを皮切りに、国際舞台で快進撃を続け、世界記録の更新回数は何と22回に達したそうである。72ヵ国が参加した先月のコモンウェルスゲーム(マンチェスター)でも、7種目に出場して6冠に輝いたばかり。金メダルを逃したのは、本格的にチャレンジを始めたばかりの背泳ぎだけで、それでも銀メダルだったのだから、ほかの選手がやる気をなくすという話もまんざらウソではないだろう。この大会でオーストラリアは、全スポーツあわせて合計206個のメダルを獲得し、ダントツの強さを見せた。「もしイアン・ソープが国だったら、国別金メダル獲得数はスコットランドと同じ9位だったのに」というジョークはおかしかった。恐るべし19歳! カイリー・ミノーグやマンゴスムージーが好きなところは、いたって普通のオージーの男の子なのだが、最近は「史上最高のスイマー」という風評が定着しつつあるほどの、超人的な活躍ぶりである。

今回のパンパシでは「前人未到の8冠達成」が期待されていたが、開幕10日前になって、800メートル自由形と100メートル背泳ぎには出場しないことが発表された。これで出場種目は、100、200、400メートル自由形とリレー3種目の計6種目と決定した。8種目にエントリーしていたら、1日に3回泳ぐ可能性が高かっただけにうなずける決断とはいえ、ちょっぴり残念な気もする。

チームメイトでライバルでもあるグラント・ハケットは7種目に出場する予定で、イアン・ソープが出場しない800メートル自由形では、エネルギーを節約して泳いでも、金メダルは間違いないだろうと言われている。ハケットはかつて「世界中で誰にも出せないようなタイムで泳いでも、2位になっちゃうことが多いんだから」と嘆いたことがある。それまでの世界記録を同時に破ったレースでも、1位のソープと差がついたハケットが遅く見えてしまうほどだった。誠に気の毒である。「いや、ハケットもすごい。世代が違っていたら……」と解説者も同情的だった。それでも、やっぱりみんなイアン・ソープに注目せずにはいられない。パンパシでの活躍に乞うご期待!

パンパシフィック選手権大会公式サイト

Ian Thorpe

オーストラリア政府観光局 観光親善大使

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)