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NSW州の98%が干ばつ被害地域に……
【2002年9月23日】

シドニーには相変わらずさんさんと陽がふりそそいでいる。

今のところ都市生活者は「過ごしやすい気候」ですませているが、どうやらこの乾燥状態はかなり深刻なようす。先週のNSW州政府の発表によると、干ばつの被害地域は州全体の98%に達したらしいのだ。冬期の穀物収穫量は40%も減少する見込みである。

この影響で、今年度の農家の収入は約50億ドル減となり、それにより国内総生産(GDP)成長率も前年度比0.8%減の3.0%前後になるだろう、とウエストパック銀行のアナリストは予想している。

内陸にいるエミューやカンガルーは、その移動能力を生かして大移動。郊外とはいえ、町の周辺にまで現れるようになったのは、普段の生活領域から水と食べ物が不足していることを示す兆候だ。

カンガルーは保護されてはいるものの、家畜用の牧草地を荒らすために、地方では有害動物と見なされる。毎年、各州の州政府はカンガルー生息数を見積もり、個体数の多い一部の種の割当捕獲数を定めて射殺の許可を出しているが、干ばつの被害が大きくなるにつれて、牧羊関係者からは割当数を増やすことを求める声が高まり、動物保護団体からは反対の声が上がっている。