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■「ヴァージン・ブルー」の上場と、新航空会社「ジェットスター」の登場
【2003年12月8日】
今日、ヴァージン・ブルー航空が上場した。リース機による初就航を果たしたのは、シドニー・オリンピック目前の2000年8月のこと。それまで寡占状態だったカンタス航空とアンセット航空に対抗するため、一足先に新規参入したインパルス航空と共に、積極的に価格競争を繰り広げ、オーストラリアの航空業界に新風を吹き込んだことは、当時のコラム(「国内線航空運賃さらに競争激化の動き」参照)にも書いた。
あの頃、インパルスはともかく、オリンピックのスポンサーだったアンセットが1年後に姿を消し(「その後のアンセット航空情報」参照)、その代わりにヴァージン・ブルーが国内線シェアを30%にまで伸ばすことを誰が予想しただろうか。
アンセットの破綻を受けて、着実に路線網を拡充したヴァージン・ブルーは現在、国内線市場でカンタスを脅かす唯一の存在となっている。2004年3月11日から運航開始予定のシドニー〜タウンズビル線を含めると、ヴァージン・ブルーを使ってシドニーからアクセスできる都市は、乗継便を含めて18都市にもなる。ちなみに、この新区間の就航記念フェアは、片道99ドル(通常のミッド・ウィーク・フェアは149ドル)。シンプルで分かりやすい価格設定だからこそできたことだが、「インターネット予約が全体の85%以上を占めている」という航空会社は、世界的にも珍しいらしい。
来年2月からは、姉妹会社の「パシフィック・ブルー」が、いよいよ国際線に参入し、本拠地ブリスベンとニュージーランドのクライストチャーチを結ぶ便を毎日1往復運航することも決定している。
守勢に立たされてきたカンタスは、国内線専用の新しい低コスト航空会社の準備を進めていたが、今月1日にその詳細が発表になった。メルボルンを拠点にする「ジェットスター」の誕生である。「低燃費のエアバス23機の購入費用だけで約16億ドル」という話だが、ヴァージン・ブルーよりも安いコストで運営する自信がカンタスにはあるらしい。過去の「第3の航空会社」に対する懐疑的なコメントは水に流して(?)お手並み拝見といきたい。
ジェットスターは2004年2月に予約の受付を開始し、5月の就航を予定している。路線網や料金の詳細は、来月発表されることになっているので、お楽しみに。
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
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