シドニーのシティ中心部の渋滞緩和を目的に工事が進められてきた「クロス・シティ・トンネル（CCT=Cross City Tunnel）」が先日やっと開通した。区間は西のダーリング・ハーバーから東のラシュカッターズ・ベイまでの約2.1キロ。トンネルを利用すれば、西行きは16、東行きは18の信号を避けることができ、1日に約9万台の車の利用が見込まれている。

トンネルの入口。中はスイスイで快適だけれど、有料道路を避ける車の列で周辺の一般道路では渋滞も発生……

実はこのトンネル、6月に「予定より数ヵ月前倒しのスケジュールで完成！」と誇らしげ（？）に発表があり、利用促進のための広告キャンペーンがさまざまな媒体で展開され、恒例の「開通ウォーク」参加者まで大々的に募集。その後、まだ工事が必要なことが判明し、開通延期に……という何ともオーストラリアらしいエピソードがある。

利用の際に注意が必要なのは、現金での料金支払いが不可能なこと。日本のETCと同様の“E TAG (Electronic Tag)”と呼ばれるノンストップ自動料金支払いシステムが導入されており、事前に登録を済ませた上で、リースされたタグ（専用の車載器）を車内に取り付けるのが基本となっている。

タグがない場合は、“e PASS (Electronic Pass)”と呼ばれる方法による支払いが可能。ただし、通行料金のほか、管理手数料が追加で請求される。“e PASS”と表示された車線を通過すると、車のナンバープレートの写真が撮られるので、通過前または24時間以内に電話やウェブサイトで料金徴収口座を登録する。短期訪問者を対象とした1〜7日間限定の“1-7 day pass”もあり、利用予定期間とナンバープレート、クレジットカードの詳細を登録すれば、期間終了時にカード会社へ請求する仕組みになっているので、旅行者にはこれが便利。

24時間以内に連絡しなかった場合は追加料金がかかったり、罰金の対象となるので、レンタカーを借りる場合などには注意が必要だ。

●クロス・シティ・トンネル（Cross City Tunnel）
02-9033-3999
＜乗用車の通行料金＞
ダーリングハーバー〜イースタン・ディストリビューターまたはラシュカッターズ・ベイ： A$3.53
ダーリングハーバー→サー・ジョン・ヤング・クレセント： A$1.66
※パス利用の場合は、管理手数料（A$1.60）が追加

（「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載）