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財政黒字国家オーストラリアの所得税減税
【2006年5月17日】

オーストラリアの会計年度は7月から翌年6月まで。例年5月の第2火曜日に、連邦政府予算案が発表になります。

膨大な累積財政赤字を抱える日本とは対照的に、オーストラリアは15年にわたって経済成長を達成。住宅バブルの終焉がささやかれてはいるものの、空前の資源ブームに沸く豪州経済は依然好景気を維持しており、先週発表された来年度予算案(2006-07 Budget)では、108億ドルの財政黒字を計上。在任10年を超えたハワード政権は4年連続、通算9回目の黒字予算案を編成しました。

税収の増加を国民に還元する「気前のいい」予算案の中でも、特に注目を集めたのは、今後4年間に渡って実施される総額367億ドル相当の大型所得税減税策。7月以降は個人所得税の税率が下記の通りとなります。

所得金額 
税率
$0〜$6,000  0%
$6,001〜$25,000  15%
$25,001〜$75,000  30%
$75,001〜$150,000 40%
$160,001〜 45%

現在は、9万5,001ドル以上の所得に最高税率47%が適用されているため、大きな恩恵を受けるのは高所得者層で、たとえば年収15万ドルなら週120ドル(年6,200ドル)の大幅な減税となります。一方、平均的な年収とされる4万〜6万ドルの場合、週10ドル未満(年510ドル)の負担減ですが、対象に低・中所得者層も盛り込まれたのは何より! 最大野党の労働党も「遅すぎた」と言いつつ、支持を表明しています。

ちなみに、日本の個人所得税の税率は、年収330万円以下が10%、900万円以下が20%で、最高税率37%が適用されるのは、1,800万円を超えてから。減税実施後でもオーストラリアの所得税の方がずいぶん高いですよね〜。

【関連】
Australian Government, 2006-07 Commonwealth Budget

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)