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W杯に浮かれるオージー
【2006年6月16日】

「ゴー、オーストラリア! ゴー、サッカルーズ!!」「オージー、オージー、オージー!」……と、そりゃ〜もう大騒ぎのシドニー。そう、もちろんサッカーW杯の話です。劇的な逆転勝ちで初戦の対日本戦を飾った13日未明は、サッカー熱に浮かされたサポーターたちが街に繰り出して大行進。翌日は2割の人が会社を休んだ、な〜んて話まで伝えられています(もともとこの時期にあわせて休暇を取っている人も少なくないようですが……)。

多民族国家オーストラリアのサッカー事情はちょっぴり複雑で、ラグビーやクリケットが国民的スポーツとされる一方、サッカーは移民の影響が色濃く、母国でサッカーが盛んな民族ごとに設立されたクラブという形で発展してきました。オーストラリア代表チームのサッカルーズには、両親ともに旧ユーゴスラビアからの移民である主将のマーク・ヴィドゥカをはじめ、イギリス人の父とオーストラリア人の母を持つハリー・キューウェル、イギリス人の父とサモア出身の母を持つティム・ケイヒルなど、今のオーストラリアを象徴するかのように、さまざまな人種をルーツとする選手が混在しています。

昨年のAリーグ発足により、状況はちょっぴり変わってきていますが(参照:カズ参上で注目度急上昇!プロサッカーリーグ「Aリーグ」)、トップクラスの選手の大半は海を渡って、世界最高レベルのリーグを舞台に華々しい活躍を披露してきました。豪州代表の試合にベストメンバーが揃う機会はそれほど多くなく、オーストラリア人でありながら、両親の出身国など他国の代表チームに流出してしまう選手も少なくなかったのです。

オーストラリアの本大会出場は1974年以来2回目。過去5大会の予選では、4大会の最終プレーオフ(1986年、1993年、1997年、2001年)に出場しながら、それぞれスコットランド、アルゼンチン、イラン、ウルグアイに負けてしまい、あと一歩というところで涙を飲んできました。「32年ぶりの〜〜〜〜〜!」と絶叫したくなる気持ちもよ〜く分かります。どうか、このお祭り騒ぎにも目をつぶってあげてくださいね。何しろ、出身民族の枠を超えて、オーストラリア代表を応援する機会がやっときたわけですから。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)