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記録的な円高豪ドル水準で、オーストラリア旅行が今とってもおトク
【2008年10月27日】

世界的な金融混乱により、オーストラリア・ドル(豪ドル)が円に対して大幅に下落しています。コレ、どういうことかというと、日本からの旅行者にとっては、ここ数年来でもっともおトクに感じられる時期ということになります(逆に豪ドルで稼いでいるオーストラリア人や在住日本人にとって、日本は遠くなりにけり……です)。

オーストラリア連邦準備銀行(RBA)によると、今日(2008年10月27日)午後4時時点の豪ドルの対円相場は1豪ドル=58円09銭。東京市場はさらに円高のようですね。こんなに豪ドルが下がったのって、いつ以来だっけ? 9.11同時多発テロの後? それともシドニー・オリンピックの頃? 

そこで、RBAの為替レートの過去記録の月別データを引っ張り出して、1988年から先月まで過去20年間の変動をグラフにしてみたのが、↓コレです。

ねっ? 今がほぼボトムに近いってことが、よく分かるでしょ? 月別データなので今月の数値は月末まで確定しませんが、10月1日午後4時時点では1豪ドル=84円41銭だったので、わずか3週間で26円以上、つまり3割以上も円高になっています。

ちなみに1年前の2007年10月は、1豪ドル=105円74銭。過去20年でもっとも円安だった月は、1990年6月で、1豪ドル=120円41銭です。その約半分の60円台を切った月は1995年5月、2000年9〜11月、2001年9月の5回あり、もっとも円高だったシドニー・オリンピック直後の2000年10月は、1豪ドル=56円11銭でした。

RBAのスティーブンス総裁は、連邦政府が発表した経済刺激策や政策金利の利下げと共に、豪ドル安がオーストラリアの景気を下支えするという見方を示しているので、もしかしたら、このまま豪ドルが下がり続けて新記録となる可能性もある一方で、G7財務相・中央銀総裁が円高を懸念する共同声明を発表したりしています。近いうちにオーストラリア旅行を計画している方は、いつ両替をするか迷うところでしょうが、もう充分現地で「安い!」と感じられるレベルです。

この国での生活感覚としては、今の物価水準なら80〜85円くらいか妥当なレートかなあ、とは思いますが、変動性(ボラティリティ)が大きいのは、高金利通貨+資源国通貨と言われる豪ドルの最大の特徴。前後2割くらいの変動は想定内ですが、今回はさすがに行き過ぎ感があります。さてさてこの先どうなることやら。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)