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とうとう聖火が消えて……
【2000年11月4日】

盛り上がる閉会式会場
10月18日から再びシドニーを活気づかせたパラリンピックも、29日の閉会式で幕を閉じ、活躍した各国選手団も次々と帰途についている。シドニーでは期間終了後、オーストラリア代表選手たちがオリンピック同様に市内をパレードし、平日の昼間にも関わらず多くの人が沿道から声援を送ったが、日本ではどのように受けとめられたのだろうか?

閉会式では、国際パラリンピック委員会の委員長から「今までで最高のパラリンピック」という言葉が飛び出し、場内は大いに沸いた。チケット売り上げ枚数は120万枚という記録的な数字を残し、参加ボランティアの人数は1万5千人を超えた。何年にも渡る準備期間を経て開催されたシドニーオリンピック、パラリンピック両大会の最後のセレモニーとあって、それを総括するような内容がプログラムには盛り込まれ、最後はやっぱり大パーティー会場となって終了した。

地元の人の中には、期間中の混乱を嫌って国外脱出した人たちなど、まったく無関心だった人もいないわけではない。チケット販売促進のためのコマーシャルで「一生に一度の……」というフレーズがあって、「そんな大げさな!」とわたし自身も思っていたが、連日足を運んで取材、観戦するうちにすっかり魅了されてしまった。この2つの大イヴェント会場に足を運ばなかったシドニーの住人は、チャンスがあったのに素晴らしい体験を逃してしまったと言わざるをえない。フレンドリーな雰囲気の中で大成功となった今大会は、参加側、受け入れ側ともに多くの人の記憶にいつまでも強烈に残るに違いない。

街は急速に普段のペースに戻ってしまった。「終わってしまった……」という、燃えつき感が関係者の間には漂っている。聖火が消えるのを見て気が抜けてしまったわたしも、珍しく風邪をひいてしまった。いっぱいエネルギーをもらったはずなのに!これを目標に4年間がんばってきた選手たちは今頃どうしているんだろうか、と思う。

オフィシャルサイト

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)

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