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開幕戦オーストラリア対アルゼンチン
【2003年10月11日】

ラグビーワールドカップ2003の開幕戦は、開会式に引き続いて行われたオーストラリア対アルゼンチン戦。前回の覇者オーストラリア代表ワラビーズは、大会史上初の二連覇を期待されているが、世代交代に差し掛かっている上に、故障者も続出。この冬のテストマッチの結果は思わしくなく、第一戦の戦い方によって、今大会の行方が占える、と言われていた。

観客は、過去最高の8万1,350人。季節はずれの冷え込みのせいで、ジャケットを着ていてもガタガタ震えてしまうほどだったけれど、オージーたちはビール片手に、第二の国歌とも呼ばれる「ワルティング・マティルダ」を合唱したり、「オージー、オージー、オージー!」「オイ、オイ、オイ!」のかけ声をかけたり、とびきりご機嫌に応援。アルゼンチンの反則には、容赦なくブーイングが浴びせかけていた(アルゼンチンへのブーイングは開会の辞を述べるために登場したハワード首相に対するものより、マシだった気もするけど……)。

だいたい普通メディア席にいる報道陣は、たとえ自国チームの試合でも、クールに観戦しているものだけど、昨夜の試合は妙にみんな興奮していておかしかった。トライしそうになると、かなりの人が立ち上がり拳を振り上げて応援していたし、スタジアムにウェーブが巻き起こると一緒になって盛り上がったりもしていた。

オーストラリアvsアルゼンチン 試合の方は、オーストラリアが前半6分にペナルティ・ゴールを決めて先行。巧みなパスを繋ぎ、相手の防御を崩す展開で、前半と後半に1トライずつあげ、24−8と快勝。このところ厳しい表情の続いていたジョージ・グレガン主将も久々に笑顔を見せ、「幸先のいいスタートが切れた」「スタジアムの雰囲気もとびきりよかった」と語っていた。

これまでのラグビーワールドカップの優勝国は、過去4回とも南半球勢。1987年の第1回ワールドカップはニュージーランド代表オールブラックス、1995年は南アフリカ代表スプリングボクスが世界一の座に輝き、ワラビーズは1991年と1999年に優勝杯エリスカップを手にしている。2度優勝したことがあるのは、オーストラリアだけなのだ。今回は、先月IRB(国際ラグビー連盟)が発表した世界ランキングで1位になったイングランド代表が、前回準優勝のフランス代表と共に、北半球初の優勝を虎視眈々と狙っている。

国内の前評判では、オールブラックスが優勝候補の一番人気らしい。オーストラリアでは、ありとあらゆるスポーツが公営ギャンブルの対象になり、もちろんワールドカップにも賭けられる。ちなみに、本日現在のオッズはニュージーランドが2.35倍、イングランド3倍、オーストラリア3.5倍となっている。日本の3001倍(!)が高いか、低いかについては、ノーコメントにしておこうっと……。

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)

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