■ジャズ・イン・ザ・ドメイン
【2008年1月12日】
シドニーは、1月に入ってようやく本格的な夏の到来を感じる気候となりました。この時期は、気持ちのいいアウトドアで過ごすのがシドニーっ子流の娯楽……というわけで、今日は野外コンサートに出かけてきました。
毎年1月第2土曜日に開催される、この「ジャズ・イン・ザ・ドメイン(Jazz in the Domain)」は、伝統的にシドニー市長が開会を宣言することもあって、新年のキックオフ的な位置付けで、もちろん(!)無料。会場に屋台が出るほか、食べ物やアルコールの持ち込みだってOKです。
シティの公園ドメインを舞台にしたコンサート・シリーズの中では、どちらかといえば大人のためのイヴェントで、例年、聴衆は約10万人くらい。夜8時の開演よりずっと前からたくさんの人が集まってワイワイやっていても、年末のキャロルのように、とびきり酔っぱらったり、騒いだりということはまずありません。
……が、しかし。ニューヨークのスパニッシュ・ハーレムにちなんで「El Barrio」と銘打った今年のイヴェントのメイン・パフォーマーであるスパニッシュ・ハーレム・オーケストラは、グラミー賞受賞経験もあるニューヨークの実力派サルサ・バンド。どうやら彼らの来豪がいつもより若い観客層をも魅了したらしく、夕暮れが近づく頃には、ものすごい人出に膨れ上がり、開演後どんどん盛り上がって、後半に入ると、ドメインは巨大な野外ダンス会場と化していました。結果、いい気分になっちゃう人が続出。いつもとはちょっと雰囲気の違うジャズ・イン・ザ・ドメインではありましたが、シドニー・フェスティヴァルのキャッチフレーズである「THIS IS OUR CITY IN SUMMER」そのままの夜で何ともイイ感じでした。
今回、スポンサーのGIOとデイリー・テレグラフ紙は、会場で1万枚のピクニックシートの無料配付を行いました。たいていのグループは、ピクニックブランケットやラグ持参なのですが、裏地がビニールなどで防水加工されているタイプのものは、芝生を傷めてしまいます。10万人規模のイヴェントが立て続けに行わるドメインの芝生の状態はかなりひどくなっているため、啓蒙を兼ねて「環境にやさしい」という触れ込みで軽くて通気性のいいピクニックシートが配られた、というワケです。
もともとは、当日のデイリー・テレグラフ誌についているクーポン持参が条件となっていたのに、ブースではそんなこと関係なしに配られていたのが、何ともシドニーらしい大らかなところ。ピクニックシートは、来週1月19日開催のシンフォニー・イン・ザ・ドメインでも配布されるそうです。
(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
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