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南極観測船「しらせ」寄港
【2002年3月26日】

先週、南極観測船「しらせ」がシドニーにやってきた。「しらせ」は海上自衛隊に所属する日本で唯一の砕氷艦。南極観測事業を支援することを任務としている。物資や観測隊員の輸送などに協力している、というわけだ。過去2回、氷の中で立ち往生するオーストラリアの観測船を救出したこともある。薄い氷であれば、連続的に砕氷して前進し、1.5メートル以上の厚さになると、いったん後ろに後退させてから、最大馬力で体当たりして氷を砕くという。

「しらせ」は、毎年、西オーストラリア州フリーマントル経由で南極へ向かい、夏の間、観測支援を行った後、シドニーに寄ってから日本へ戻る。パースやシドニーに長年暮らす日本人にとっては、夏の始まりと終わりを告げるおなじみの存在である。今年は3月21日にダーリング・ハーバーに入港し、27日まで約1週間寄港している。22日には恒例の一般公開も行われた。

シドニー到着のレセプションで、越冬隊員の方と話す機会があった。日本から南極への定期便(?)は「しらせ」だけなので、越冬隊は、南極で1年または2年余りを過ごしてきたことになる。めったに聞けない南極での調査や生活に関する話とあわせて、「雨を見るのは、久しぶり」とか、「シドニーに着いた途端、鼻がむずむずした」とか、おもしろい感想を聞いた。女性が人口の半分ほどを占めるシドニーのような都会では、どうやら化粧のにおいが強烈らしい……。

ちなみに最近は、女性も少数ながら観測隊員として活躍している。女性越冬隊員の初参加は、1997年のことである。そのうちのひとりは、確かオーロラ観測が専門だった。南極でオーロラ観測の仕事だなんて……うらやましい!

※2004年は3月20〜26日まで寄航予定(一般公開の予定はありません)
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)

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