■シドニー・フィルム・フェステイヴァル
【2005年6月15日】
映画ファンが毎年心待ちにしているオーストラリア最大の映画祭「シドニー・フィルム・フェスティバル」が6月10日、シドニー市内で開幕した。オープニング作品は、BAFTA(英国アカデミー賞)で英国映画賞を受賞した"My Summer of Love"。会場のステートシアターには、主演のナタリー・プレスとエミリー・ブラントも駆けつけ、52回目を迎えるイヴェントに華を添えた。
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オープニング作品は、10代の女の子2人のひと夏を描いた「My Summer of Love」 |
今年の一番大きな変化は、市内中心部ジョージ・ストリートにある複合型映画館が会場に加わったこと。選択肢を増やすことによって観客層を広げることを目的としているというが、これまでのアートハウス系シネマとは違った雰囲気が生まれることは必至。この大きな賭けを長年のファンがどう評価するのか、興味深いところだ。
上映されるのは、39ヵ国からの全170作品。「多様性」がコンセプトなだけに、カンヌ映画祭をはじめ世界各地の映画祭の受賞作や話題作から、新人や若手の意欲作、ショートフィルム、ドキュメンタリー、アニメまで、例年同様のバラエティ豊かな品揃えで、香港の映画史100周年を祝う"Hong Kong Express"や、アジア映画やアルゼンチン映画の台頭に注目した"New Asian Cinema"、"New Argentine Cinema"といった特集もあり。"ShutterBug"と題する写真家にスポットライトを当てた異色のドキュメンタリー・シリーズには、荒木経惟氏を追った『アラキメンタリ』が登場する。
期間中は、国内外の映画関係者との交流や専門家によるレクチャー、討論会などイヴェントも満載! 最終日前日にはジブリの鈴木プロデューサーのトークも予定されている……となると、クロージング作品は、もちろん(!)宮崎駿監督の『ハウルの動く城』。昨年の北野武監督の『座頭市』に続いて、2年連続で日本映画がトリを務める快挙となった。
◆Sydney Film Festival
期間: |
2005年6月10日(金)〜25日(土) |
会場: |
ステート・シアター、デンディ・オペラ・キーズ、ザ・スタジオ(シドニー・オペラ・ハウス)、ジョージ・ストリート・シネマズ、NSW州立美術館 |
チケット料金: |
・シングル・チケット $15(オープニング&クロージング・ナイトは$30)
・フレキシ・パス $125(10枚)〜$300(30枚)
・デンディ・アワード $28
・ミニ・デイ・パス $90(火〜金曜の午後4時まで有効) |
チケット購入先: |
Ticketekまたは、会場 |
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画像提供: Sydney Film Festival
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載) |