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盛り上がりは最高潮!
【2000年9月25日】


 
トップ争いを繰り広げる女子マラソンの高橋選手とシモン選手

観客でにぎわうオリンピックパーク内のメインストリート

夜中まで歓声が聞こえる巨大スクリーン前の広場
今世紀最後のオリンピックは早くも後半戦に入ったが、シドニーでは会場だけでなく街全体がかつてない熱気に包まれている。マラソンやトライアスロンなどチケットがなくても観戦できる競技には市民の多くが沿道で暖かい声援を送り、雰囲気は最高潮!天候の不安定な春先だけに雨や風の心配もされていたが、にわか雨が数回降ったほかは青空が広がり、日中の気温は連日25度前後とさわやかなオリンピック日和が続いている。

開会式が好評だったこともあって、チケット売り上げは絶好調で、売り場は常に数時間待ちの行列。広い国土に人口が1900万人しかいないこの国で、オリンピック史上最高の売り上げ枚数を記録したことは快挙とも言える。

相次ぐスキャンダルや不手際に市民がそっぽを向いてしまった時期もあり、開幕までの道のりは決して順調とは言えなかったが、紆余曲折を経てシドニーの街は、今、一番輝いている。たった2週間余りの本番のために、開催決定以来、何年にも渡る準備が行われてきたのだ。大変身を遂げ、活気に溢れるシドニーを誇りに思いながら、みんながお祭り騒ぎに加わるのは当然だろう。多くの人の心がひとつになり、この大イヴェントを成功させようとする大きなうねりの中に身を置けることを幸せに思う。

地元の選手が出る試合にひときわ高い声援が起こるのはどこの開催地でも同じだが、あらゆる国の選手に応援があるのはさすがオーストラリア。シドニーに住む4人に1人は外国生まれなのだ。大応援団を送りこんでくる余裕のない小国の選手にとっては、見ず知らずの国での母国語での声援はとても心強いに違いない。

実力が発揮できなかったり、ミスジャッジに涙を飲んだりした選手がいる一方、プレッシャーをものともせず見事にメダルを手にした選手や、大舞台で普段以上の力を発揮したチームもいる。スポーツが生み出す悲喜こもごものドラマは、圧倒的な力で見ている者の心を揺さぶるものだなあ、と実感している。

世界最高レベルの闘いはあと1週間続く。アスリートたちのさらなる活躍を期待したい。オーストラリアらしさ満載の閉会式もどうぞお楽しみに。

(シドニースーパーサイト(提供:Visa International)連載)

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