■夏真っ盛り! 海のルールを頭に入れて、ビーチへ繰り出そう
【2005年2月8日】
キョーレツな寒波に見舞われた日本とは反対に、シドニーは今まさに夏真っ盛り!(実は、先週「もう秋?」と思うくらい涼しい日もあったのだが、青空の広がる連日30℃前後の日々が戻ってきて、ホッと一安心しているところ……)
この時期は、夜8時頃でもまだ明るいため、学校や仕事が終わってからビーチへ出かける人もたくさんいる。こんなにキレイなビーチが街から近いところあちこちに点在していれば、そんなライフスタイルが定着するのも当然だろう。ポピュラーなビーチには、シャワーやトイレはもちろん、ロックプール(海辺にある自然を活かした海水プール)やカフェなどの設備もバッチリ整っている。たとえ滞在期間が短い旅行者でも、真夏のオーストラリアに来て、海で過ごさないというテはないと思う。
ただし、太平洋から波が打ち寄せるシドニーのほとんどのビーチは、全般的にとってもパワフル。真剣に泳ぐことが目的だったり、小さな子供連れの場合は、入り江のビーチなど場所を選んだほうがいい。せっかくのホリデーが台無しになってしまわないよう、この国の「海のルール」もしっかり覚えておきたい。何しろ、ライフ・セーバーによる海難事故のレスキュー人数は、オーストラリア全体で年間1万1,000人以上。その中には、自国と同じ感覚で海に入って溺れてしまう海外からの旅行者も決して少なくはないのだ。
まず一番大事なのは、赤と黄色の2本の旗で示された遊泳区域内で泳ぐこと。波と戯れていて、気がつかないうちに外に流されていることもあるので、常に自分の位置を確認する癖をつけよう。逆に、遊泳区域内でサーフボードを使用することは禁止されている。潮に流されて入ってしまったときには、速やかに区域外に出ないと、マイクを通してライフ・セーバーの警告を受けるハメになるので要注意。
ビーチには「リップ」と呼ばれる沖に向かう危険な潮流がある。地形的なものもあるが、いつも同じ場所とは限らず、移動したり、満潮時などに突然発生するものもあり、気がついた時には、ぐんぐん沖に流されてしまっていることも。岸に戻ろうとするあまり、パニックに陥る人もいるが、抜け出すコツは流れにさからわずに、岸と並行に真横に泳ぐこと。自力ではどうしようもないときは、落ち着いて片手を高く掲げて「助けて」サインを出せば、救助が駆けつけるはず。そうそう、海で泳いでいるときに浜辺の人に手を振るのはとっても紛らわしい行為なのでNGだ。
ビーチやその周辺には、注意や警告の標識があるので、初めての場所に行ったときには一通り目を通しておくといい。変わりやすい海のコンディションを判断するのは難しいため、分からないことは、その道のプロであるライフ・セーバーに聞くのが一番だ。
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
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