■シドニー・シアターで『The War of the Roses』を観劇
【2009年1月21日】
演技派オージー女優ケイト・ブランシェットが出演する
シドニー・シアター・カンパニー(STC)の最新作
『The War of the Roses』のプレビュー公演を観てきました。
ウォルシュ・ベイにある896人収容のシドニー・シアター
内容はタイトル通り、イングランドの薔薇戦争を題材にした
シェークスピアの8つの戯曲を脚色したもの。インターバルを
挟んで異なる時代を各2幕に凝縮したパート1と2に分かれた
2部4幕構成のため、全編を観るには二晩通うことになるのですが、
パート1だけで、約4時間という長丁場でした。
第一幕は、はらはらと金色の紙吹雪が舞い続ける中、
8人の俳優がほぼ直立不動で立ったまま長〜いセリフを
しゃべるシーンが延々と続きます。「え〜っと、この人誰?」
「いとこって、後のヘンリー4世だ!」ってな感じで、
ストーリーを理解する前に人物関係を把握するまでに一苦労……。
ひゃ〜、難しい! 歴史的な背景や原作に関する素養がないからなあ、
と予習していかなかったことをちょっぴり後悔しました。
劇場前のポスターの1枚
何しろ王冠をかぶったケイト演じるリチャードII世のほかは、
Tシャツにジーンズといったカジュアルな衣装なので、身なりから
ヒントを得るのも難しい上に、ボディーランゲージは皆無!
難解なセリフには最後まで苦労させられましたが、第二幕は
動きがあってちょっとほっとしました。
ただ、休憩時間や閉演後に耳に入ってくる会話を聞いてみると
ネイティブのオージーたちも結構苦労した様子がありあり。
プログラムの系図を見ながら眉間にしわを寄せている人も
少なからずいました。シドニー・フェスティバルの一環として
上演されたこともあって、ケイトの名前につられてやってきた、
たぶん普段は芝居を観たりしない人も、たくさんいたんだろうな〜、
という感じ。そのケイト、さすがに存在感があって、光ってました。
観劇は久々だったのですが、やっぱり生は迫力が違いますね。
シドニーでお芝居?と思うかもしれませんが、世界的に活躍する
実力派のオージー俳優はほとんど舞台出身で、メル・ギブソン、
ジュディ・デイヴィス、ヒューゴ・ウィーヴィング、ミランダ・オットー、
ジェフリー・ラッシュ、トニ・コレット……とSTCから巣立った俳優は
数多くいます。ケイトももちろんその一人なのですが、彼女は
夫で脚本家のアンドリュー・アプトンと共に、去年からSTCの舞台監督を
務めていて、今年の9月には、『A Streetcar Named Desire』に
出演することも決まっています。あいにく、こちらは完売した模様ですが、
『The War of the Roses』は日にちによっては、まだ若干残席があるようですよ。
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■The War of the Roses - Part 1/Part 2
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期間: 2009年1月5日〜2月14日
会場: Sydney Theatre Company
料金: 各パートA$30〜85
チケット購入先: STC Box Office
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(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
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