開会式の出演者が発表されたり、メダルが初公開されたり、オリンピック関連ニュースが相次ぐシドニーで、「オリンピック・アーツ・フェスティバル」が8月18日に公式オープンした。
幕開けは先住民アボリジニによる歓迎の儀式Tubowgule。夜明けにボタニー湾の海岸で行われた儀式と音楽に続き、正午には王立植物園で、夕暮れ時にはオペラハウス前庭で、伝統的な歌や踊りが披露された。夜明けの儀式が行われたラペローズは、かつて先住民が初めて白人と接触した歴史的に意味深い場所。儀式の終わりには、ユーカリの枝を使って作られたいかだに火がつけられ、海に流された。冷え込んだ真冬の早朝にも関わらず訪れた数千人の市民の間には、静寂の中、オリンピックを迎えるポジティブなムードが広がった。
翌19日にはシドニー交響楽団や各国の有名ソリストを含めた1000人の音楽家が一堂に会する非常に規模の大きいコンサートが行われた。曲目は、その壮大なスケールから「1000人の交響曲」として知られるマーラー作曲の交響曲第8番。オーストラリア最大のインドアスポーツ・エンターテインメントセンター、スーパードームが会場として使われた。オリンピックのために建設されたこの施設は観客収容人数1万5千人を誇り、大会期間中には体操やバスケットボール会場として使用される。
今年のフェスティバルには25ヶ国から4000人ものアーティストが参加。プログラムの内容はオペラ、演劇、ダンス、フィルム、ライヴ、コンサート、美術展、サーカスなどあらゆるアートをカバーしている。宮崎駿監督作品など、日本のアニメの傑作が一挙上映される「ジャパニメ」や、「オーストラリアのエネルギー(地・水・火・風)」をイメージしたオペラハウスのライトアップなど、普段見ることのできないユニークなイヴェントも目白押しだ。アートに代表される文化行事もオリンピック活動の一部。6週間に渡って繰り広げられる芸術の祭典をどうぞお見逃しなく。
●Olympic Arts Festival
開催期間 2000年8月18日(金)~9月30日(土)
場所 シドニー市内、近郊各地
問い合わせ先 13-63-63
|