ホームシドニーオリンピック > 過去のコラム


4万5千人以上のボランティア
【2000年9月8日】

種目によってはチケットはまだ入手可能な上、企業などVIP用に別にされていた人気種目のチケットも急遽一般販売へ

聖火リレーで使用されているトーチ


市内の銀行の壁面に登場したオーストラリア代表水泳選手を使った巨大広告
シドニーオリンピック運営スタッフは総約11万人のうち、4万5千人以上を無給のボランティアが占めている。シドニー広域エリアの住人は約400万人だから、100人に1人という計算になり、その半数はフルタイムの仕事を持っている人、というから恐れ入る。かなりの人が会社を休んでボランティアとして参加しているということだ。

日本人のボランティアも活動しており、ボランティアグループの「JOV2000」は交流会などを開いて情報交換を行っている。活躍が期待されるメンバーの一部を紹介したいと思う。

シドニーのビジネスカレッジでITを勉強している忠地誠さんは休暇を取っての参加。地元長野でのオリンピックボランティア経験を通じて、シドニー大会へのやる気と情熱が生まれ、メインプレスセンターでの立ち上げ作業から参加する傍ら、ウェブサイトをまめに更新して、オリンピックボランティア情報を発信している。

メディアビレッジで交通案内サービス業務にあたっている永山恵理子さんも、長野についで2度目のボランティアだ。お祭りムードと、そこに集まるいろいろな人との交流を通してもらえるたくさんのパワーを楽しみにしている。 

「つらいときに泣いたり、成功したときに感動したり、笑ったり、そんな素直に思えることって日本ではめったにない。」と話してくれた高橋陽さんは、エンターテイメントセンターで観客案内サービスを担当。ひとつのことをみんなで協力して創りあげるボランティア活動に惹かれ、アテネでもボランティアをしたいという希望を持つようになった。

大学を休学してシドニーに滞在中の曽根浩司さんは、柔道練習会場でアテンダントをしている。「今しかできないことだから。」というのが参加理由。シドニーでのいろいろな体験を帰国後の就職活動で職種を選ぶための参考にしたいと思っているそうだ。

野球が好きで、その関係で役に立てたらと思って応募した飯島理佐子さんは、希望通りベースボールスタジアムの勤務。日本語教師アシスタントプログラムへの参加に引き続いてのボランティア活動だ。

英語の勉強のために来豪した升田奈央さんは、エキシビジョンセンターで観客案内サービスを担当。「せっかくシドニーに滞在している間にオリンピックが行われるのだから、何か関わりたかった。こんなチャンス、一生に一度しかない!」

「オリンピック活動の楽しみは?」という質問に、そろって「さまざまな国から来たいろいろな人との出逢い」と答えてくれた、ボランティアひとりひとりの力なしにこのオリンピックは語れない。

シドニーには180カ国からの出身者が暮らしており、話されている言語は140にも上る。世界中からの訪問者を迎えるには、最適な環境と言えるだろう。移民大国らしく、さまざまなバックグラウンドを持つ人が、それぞれの想いを抱いてオリンピックを支えている。

(シドニースーパーサイト(提供:Visa International)連載)

ひとつ前のコラムを読む
ひとつ後のコラムを読む