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たとえ“サッカルーズ”が出場しなくても…… 〜W杯観戦事情〜

オーストラリアで「フットボール」と呼ばれるスポーツには4種類ある。世界でもトップクラスの実力を誇るのが、ラグビーリーグとラグビーユニオン。オーストラリア生まれのオージールールズもヴィクトリア州を中心に人気が高い。サッカーはその中で一番マイナーな存在だ。

オーストラリア代表チーム“サッカルーズ”は、少しずつ力をつけてきているが、「あともう一息!」というところで、今回もW杯本選出場を逃してしまった。

サッカー人気はイマイチ、自国代表チームも出場していない。普通なら「W杯が見られるのは、せいぜいスポーツニュースのハイライトくらいだろう……」と思いがちだが、シドニーでは全試合のテレビ観戦が可能である。それもほとんどが生中継。高視聴率が見込める決勝戦など、いくつかのオイシイ試合の放映権だけをちゃっかり獲得したのは、民営のチャンネル9で、それ以外の48試合も、半国営のSBSがすべて放送している。SBSは普段から60以上の言語による番組を放映しているだけあって、ハーフタイムには韓国語やスペイン語など、対戦チームに合わせた外国語ヴァージョンのコマーシャルが流れる。

実はシドニーっ子の約3割は外国生まれ。たとえ本人がそうでなくても、親、祖父母、……とちょっと遡れば、W杯出場国に何らかの関わりを持つ人の数はものすごく多い。たとえオーストラリア代表チームが出場していなくても、応援する国には事欠かないのだ。この街に暮らす人が、世界最大のスポーツイヴェントに無関心でいられるわけがない!?

いつもはラグビー少年で賑わう近くのグラウンドも、このところサッカー少年が目立っているような……。
 

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)

 
 
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