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クリスマスはどこへ行った?
【2004年12月23日】


  クリスマスはどこへ行った?(Where's Our Christmas?)――そんな見出しが、12月初めにシドニーのデイリー・テレグラフ紙を飾った。「税金の無駄遣い」が問題かと思ったら、話はまったく逆。シティ中心部タウンホールのバルコニーに飾られたクリスマス・ツリーをニューヨークやロンドン、パリといった世界の大都市のきらびやかなクリスマス・デコレーションと比較して、「シドニー市はクリスマスのために十分な予算を使ってない!」と非難する内容だ(ここだけの話、タウンホールのツリーって、いっつもあんなもんだと思うけど……)。

その矛先は、無所属でゲイ&レズビアン擁護派の女性市長。予算縮小の理由をクロバー・ムーア市長が「オーストラリアは多文化主義だから」つまり、クリスチャンじゃない人たちへの配慮と発言した……と報じられたから、さあタイヘン。反響は雪だるま式に膨れ上がり、政治家や宗教家まで巻き込んで大騒ぎに発展した。ただし、市長はその発言を否定するとともに、シドニー市が今年のクリスマス予算を昨年から1.5倍増やして90万ドル支出していることも明らかにした。

ようやく騒ぎが収まったと思ったら、今度は大晦日恒例のシドニー湾の花火大会で演奏される国歌がダンス・ヴァージョンであることが発表に。これまた、カンカンガクガクの議論を呼んでいる。

……というわけで、シドニーはとっても平和な年末年始を迎えようとしています。みなさまもどうぞよいお年を! 
 

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
 
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