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オンライン回答可能な国勢調査
【2006年8月6日】

オーストラリアの国勢調査「センサス」は5年に1度。8月8日の2006年センサス実施日を前に、我が家にも調査票と記入の手引きが届きました。調査日の夜にオーストラリアにいる人は、友人・知人宅やホテルに滞在していようと、バックパッカーやキャンプ場に泊まっていようと、外国人も含めてすべて対象になりますので、旅行者の方もそのつもりでどうぞ。

広大な国土を抱えるオーストラリアでは、人口密度が極端に低い内陸部などの調査票回収にはこれまで小型飛行機やヘリコプターを含め、さまざまな交通手段が利用されてきましたが、今回のセンサスでは初めてオンライン回答(eCENSUS)の選択が可能になったため、人口の5〜10%がインターネットを利用すると見られています。

気になる調査項目は全部で60項目。性別や年齢をはじめ、学歴、資格、職業、収入などのほか、出生国、両親の出生地、宗教、家庭で使用する言語、英語力など、多国籍国家の現状把握にうってつけの設問が並びます。回答には、約280の国・地域名、240の言語、120の宗教についての情報が含まれるそうですが、結果は政府機関の予算の分配、施設やサービス内容にも直結しています。何しろ、このセンサスの案内にしても35ヵ国語が用意されていて、その中にはアムハラ語、ダリ語、ディンカ語、シンハラ語……とさまざまな言語が含まれているのです。

センサスの調査票とコンピュータファイルは、集計後すべて破壊処理されることになっていますが、希望すれば、「国勢調査タイムカプセル」プロジェクトに参加することも可能。その場合は、氏名・住所ととともに、国勢調査の回答内容がオーストラリア国立公文書保管局で99年間タイムカプセルとして封印(?)された後、2105年に開示されます。本人が見ることはまずないでしょうが、子孫たちがその内容を見られるというワケです。

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(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)

 
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