■オーストラリア初! 現金支払い不可のプリペイド専用公共バス
【2006年11月29日】
先日、来豪した知人との会話の中に、シドニーっ子の足シドニー・バス(Sydney Buses)の話題が出ました。
「シドニーには現金が使えないバスが走っているんですね」
「それって、実験中のスクールバス(通学用バス)のこと?」
「いや、ボンダイ・ビーチからの普通の路線バス。確かルート番号は333だったかな?」
シドニー・バスが過去に使ったことのあるいわゆる“ゾロ目”のルートは特別ルートばかりで、ボンダイ・ビーチを通るルート333なんて、あったっけ? と思ったら、それからすぐ何度も見かけました。車体には大きく「Prepay Only(前払いのみ)」と書かれています。
統計によると、バス乗車時の現金支払いにかかる時間は平均11秒で、乗車口に設置されているスロットに通す場合は平均3秒未満。シドニー・バス利用客の約3人に1人は現金で支払い、24時間運行しているノース・ボンダイ行きのルート380などでは、半数近くが現金支払いだそうです。現金支払いの利用者が多い路線はなかなか発車できず、時刻表通りに運行できないこともしばしば。
そんなわけで実験期間を経て、シティ〜ノース・ボンダイ間を結ぶ急行バスルートL82が、オーストラリア初のプリペイド専用路線バス、ルート333として生まれ変わって登場したのです。
使えるチケットは、回数券のように10回使用できる「トラベルテン」、指定範囲の鉄道、バス、フェリーが乗り放題になる「トラベルパス」のほか、シティと郊外をカバーする1日乗車券「デイトリッパー」など。いずれもシングル・チケットより割安な料金設定ですが、ニュース・エージェンシーやコンビニ、トランジット・ショップなどで予め購入しておく必要があります(ショップによっては、シングル・チケットも購入可能)。
今月半ばからは、タウン・ホールに面したドゥルイット・ストリートのバス停が午後3時半から6時半のピークアワー限定で、プリペイド専用バス停に変身! プリペイド路線やバス停は時間短縮につながる、と市民は概ね歓迎ムードですが、旅行者にはシステムが理解しにくいかな、というところがちょっと気になります。
(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
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