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オーストラリアの硬貨が小さくなる……かも!?
【2008年4月19日】

銅やニッケルの主要産出国であるオーストラリアの硬貨は、日本のものよりも大きくて重量感があります。一番大きな50セント硬貨なんて、存在感たっぷりの12角形。直径31.51ミリメートル、重量15.55グラムと、500円玉の倍以上重く、ずっと価値がありそうに思えます。

そのじゃらじゃらと重いオーストラリアのコイン、もしかしたら近いうちに小ぶりなデザインに変更されるかもしれません。


2ドル硬貨のほうが1ドルより小さいのもフシギ

その理由は、銅やニッケルの国際需要増にともなう価格の高騰です。地元各紙の報道によると、白銅(銅75%、ニッケル25%)の5セントや10セント、20セント硬貨は、昨年後半時点で造幣局が契約していた地金価格がそれぞれ4.89セント、9.78セント、19.56セントだったそう。地金としての価値が額面を超えてしまいそうな状況なのです。

一方、アルミニウム青銅(銅92%、アルミニウム6%、ニッケル2%)の1ドル・2ドル硬貨は、それぞれ8.3セント、6.1セントで、金属としての価値は、10セント硬貨よりも低くなっています。

ちなみに、オーストラリアの通貨単位がポンドからドルに切り替わった1966年に発行された丸い50セント硬貨(重量13.28グラム)は、一般通貨なのに銀の純度が80%の“銀貨”! シルバーの価格高騰を受けて、同年に製造中止となってしまいましたが、1980年代には、一時15ドルもの価値があったそうです。国外に持ち出されて、溶かされてしまったものも多数あったとか、なかったとか……。

オーストラリアとそっくりの硬貨を使っていたお隣のニュージーランドは、2006年7月に10セント、20セント、50セント硬貨のサイズを一新しました。一回り小さなコインの流通と共に、最小通貨だった5セント硬貨が廃止されましたが、聞くところではほとんど混乱はなかったようです。もしかしたら、オーストラリアでも、あっさりとそういう動きになるかもしれませんね。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
 
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