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映画『ブルー・ブルー・ブルー』―青い空、青い海、それから青いヤツら?
【2008年6月19日】

なんと本国よりも先に(今こっちは冬だからかなあ……)、オーストラリア映画『ブルー・ブルー・ブルー』が、日本全国ロードショー公開中です。タイトルそのまんまの抜けるような青い空と海を背景に、スクリーンいっぱいに迫力あふれるサーフィン・シーンが繰り広げられる青春映画で、光を絶妙にとらえた映像美に注目!です。

スリリングでリアルな波乗りシーンがサーファーの間でも話題を呼んでいるようですが、それもそのはず、水中撮影を担当したのは、大人気サーフブランド「クイックシルバー」のビデオやドキュメンタリー作品などで、ケリー・スレーターら世界トップクラスのサーファーの撮影で活躍中のティム・ボニーソン氏。主役のジェシーを演じるラクラン・ブキャナンは、元ジュニア・サーフ・ライフセーバーで、彼と共に先日PRのために来日したばかりのカーク・ジェンキンスはプロサーファー……とサーフィンができるキャストを揃え、スタントはほんのちょっぴりしか(!)使わなかったのだとか。

舞台は、シドニーの約160キロ北に位置するニューキャッスル。実は原題も『Newcastle』となっています(今週シドニー・フィルム・フェスティヴァルで上映されましたが、国内リリースは、9〜10月予定)。ニューキャッスルは、映画の中でも描かれている通り、主に石炭の積み出し港として栄えてきたために、港湾周辺に大型のタンカーがずらりと並ぶ工業都市のイメージが強いようですが、それはこの街の顔のほんの一部に過ぎません。

実際に訪れてみると、タスマン海に面した数々のビーチ&サーフスポットや、ポート・スティーブンスまで延々32キロも続く広大なストックトン砂丘(←映画に出てくる海辺のキャンプはココらしい……)などが印象的な大自然に恵まれた落ち着いた港町で、ダン・キャッスル監督もこの街で出逢ったこれらの光景にインスパイアされて脚本を書き上げたと語っていました。

中心部には歴史的建造物が多数残っており、第二次世界大戦中、9キロ沖合にいた日本軍潜水艦からの砲撃に応戦した砦フォート・スクラッチりーも、一般公開されています(大規模改修を経て2008年6月29日に再オープン予定)。ウォーターフロント再開発が進んで変遷しつつある街の背景を知っていれば、アイデンティティ問題や人生の大きな変化に揺れる青年たちとピタリと重なる要素が織り込まれた表現にもなるほどね、とナットクしそう。

青春サーフィン映画というからには、オーストラリアの風景のようにスコーンと明るくさわやかなストーリーかと思いきや……続きは映画館でどうぞ!

『ブルー・ブルー・ブルー』公式サイト
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  予告編あり!オーストラリアの海に行きたくなっちゃってもあしからず。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
 
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