ホーム > オーストラリアよもやま話> バックナンバー

ついに……ザトウクジラと泳いできました〜!
【2008年10月16日】

昨日の記事で、パシフィック・ブルーに乗ったと書きましたが、行先は南太平洋のトンガ王国、目的は念願のホエール・スイムでした。

クジラと泳げる場所は、世界中に数ヵ所しかありません。今年は例年に比べるとトンガでのスイム成功率は今一つ?というウワサもあり、おまけに最初の数日間は強風・高波という悪条件。シーズン終わり間近ということもあって、ちょっぴり心配しましたが、無事ザトウクジラと泳ぐことができました!

海にプカプカ漂いながら、真下から浮上してくる母子クジラの姿を初めて目にとらえた瞬間の感動は、一生ココロに残りそう。が、船のキャプテン曰く「ホエール・スイム体験は、シェイクスピアにだってうまく描写できやしない」ということなので、無駄な努力はやめて、↓フォトグラファーの相棒が撮った写真にしておきます。


母クジラの真後ろあたりにいたので、迫りくる尾びれを必死でよけました……

「オーストラリアのイルカの都」という異名のあるポート・スティーブンス(シドニーの北約200キロ)で、イルカ・クジラ専門の日本語エコツアーや、野生のイルカと泳ぐドルフィン・セラピーを企画運営しているわたしたちにとって、広大な海でザトウクジラと泳ぐことは、長年の夢。と同時に、“持続可能なクオリティ重視のエコツアー”というコンセプトで展開しているニッチなプロダクトに加えられるかどうかを見極めるための視察を兼ねたものだったのです(←GO!に向けて準備中♪)。

ちなみに、シドニーやポート・スティーブンスでのクジラのウォッチング・シーズンは、5月〜11月までの半年余り。その間に沖合を北上・南下するクジラは計7,000頭もいて、シドニー沖の東海岸は時速5〜9キロ程で進む“旅するクジラ達”のハイウェイ(Whale Highway)と言われています。一方、繁殖海域のトンガには、7月〜10月の冬だけ交尾や出産、子育てのために“とどまるクジラ達”がいるのです。同じ南極から温暖な海目指してやってくる同じ種類のクジラでも、ライフ・ステージ(?)が異なると、行動パターンも違うんだなあ、と感心しきり……。

何でもヴァーチャルに疑似体験できちゃう時代でも、1回こっきりのリアルな世界には到底かなわない、ということを再認識したトンガ滞在でした。「初めて」がいっぱい詰まっている旅は、やっぱりサイコーですね。

【関連】
野生のイルカと泳ぐとっておきのイルカ月間

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
 
ひとつ前の話
ひとつ後の話