■もうひとつのオリンピック 【2000年7月】
オリンピックに照準を合わせた建築ラッシュや大型プロジェクトがようやく一段落したシドニー。化粧直しを終えたばかりのビルの谷間や緑溢れる公園に、建国以来の歴史と密接に関係したモダンアート作品が次々と公開されはじめた。
国立海洋博物館には、1629年にオーストラリア西海岸沖で座礁したオランダの旗艦「バタヴィア」の実物大レプリカ(高さ55メートル)が登場し、話題を呼んでいる。
実はこれ、いずれも8月に公式オープンする「オリンピック・アーツ・フェスティバル」の一部。4年目で最後となる今年の芸術祭には25カ国から4000人ものアーティストの参加が予定されている。
ハイライトは、外国から招いたソリストやシドニー交響楽団を含む約1000人の音楽家が、オリンピック会場のスーパードームに一同に会するクラシックコンサート。
オリンピック開会式の前夜にはオペラハウスに聖火が到着し、オペラ・オーストラリアとオーストラリアン・バレエの共演や、アンドレア・ボッチェーリの公演が行われる。
アートに関するあらゆるイヴェントを盛りこんだフェスティバルのプログラムには、手塚治虫作品や宮崎駿監督のアニメ上映なども含まれ、これまで門外不出だったギリシャ古代の彫刻、陶器の展覧会などレアな催しも多数あり。
今年のシドニーは芸術にも注目!
Sydney 2000 Olympic Arts Festival
2000年8月18日(金)〜9月30日(土)
TEL: 13-63-63
<関連コラム>
オリンピック・アーツ・フェスティバルが公式オープン!
(JALグループ機内誌「ウインズ」00年8月号掲載)
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