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スカイライティング(空文字)で愛の告白を

「スカイライター」という職業をご存知だろうか?

セスナに乗って地上5〜6キロの上空に文字を書くことが彼らの仕事。大気の安定した場所を見つけ、排気管につながれた装置から特製オイルを気化させて噴射すると、冷たい空気の中で凍って雲のように見えるというわけだ。

一辺600メートルから800メートルもある巨大な文字は30キロ離れた場所からでも見ることができ、アウトドア文化が定着したシドニーならではのユニークで有効な広告手段となっている。

空に現れるメッセージは、基本的に15文字前後。最初の文字が消えてしまう前に最後の文字を書き終えないとインパクトがなくなってしまうからだ。青空に白い文字が現れると、ビーチや公園で過ごす人々はついつい次の文字を目で追い、知恵を絞って短くされたメッセージの内容を当てようとする。

空に「V」だけの一文字が繰り返し何度も現れ話題を呼んだこともある。これはある電話会社の頭文字だった。

企業の遊び心もいいが、見ていて楽しいのはロマンティストによる「MARRY ME XXXX」のような個人メッセージだ。プロポーズの成功率はほぼ100%というウワサ。ただし、料金は万一に備えて(?)あくまで前払いとか。

大切な誰かに伝えたいメッセージがあるのなら、シドニーの青い空を利用してみてはいかが? 
 

(JALグループ機内誌「ウインズ」00年10月号掲載)
基本料金の目安:14文字から18文字で2000ドル〜500ドル。(プラス1文字追加につき100〜140前後)
 
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