■喧騒の中の癒し空間 〜シドニーのデイ・スパ〜
時間に追われ、ストレスあふれる日常から、自然の持つヒーリング効果によるリラクゼーションの世界へ。
シドニーのデイ・スパはそれを短時間で体験できる街中の異空間だ。
郊外へ出かけてのんびり過ごす時間はないけれど、安らぎが確保できるプライベートな場所で、心と身体のバランスを取り戻したい。熟練したセラピストによるとっておきのトリートメントを受けて癒されたい。
そんな願いに応える“都会のオアシス”がデイ・スパである。
ドアを開けると、落ち着いた内装と柔らかな照明が心を和ませる。雑踏のざわめきがすーっと遠ざかる。ソルト・バスのフシギな浮遊感に身を委ねたり、優しくマッサージを受けたりしているうちに、ゆっくりとエネルギーが充電され、幸福感に満たされていく。
利用者は女性だけに限らず、スーツ姿のビジネスマンなど、男性客が30〜40パーセントを占めるところも多くあり、年齢層も幅広い。リピーターが多いが、口コミで質の高いサービスを知った旅行者の利用も増えている。
人気の理由は、最先端の設備やテクノロジーと自然の治癒力を組み合わせた、多岐に渡るトリートメントが用意されているから。気軽に利用できる手足のマッサージやフェイシャルから、アロマセラピー、タラソセラピー、ハイドロセラピーやハーブ療法による全身のケアまで、かかる時間も15分から丸一日とさまざまだ。異文化を積極的に受け入れ、消化して新しい形を生み出すのが得意な移民の街シドニーでは、スパでさえ、ありきたりの内容ではありえない。
有名人もご用達の「スパ・チャクラ」では100を超えるメニューを用意しているほか、利用中にドライクリーニングや買い物、犬の散歩などをすませてくれるコンシェルジェサービスや、妊娠から出産、子育て中のお母さんと赤ちゃんを長期的にサポートするプログラムが話題を呼んでいる。
「地球上で最も純粋なスキンケア」をうたうオーストラリア生まれのオーガニック系スキンケア化粧品メーカー、ジュリーク直営の「ウェルネス・サンクチュアリ・デイ・スパ」は、ナチュラルな製品を使った安心感のあるサービスが世界的にも高い評価を受けている。週末は、有名レストラン並みに2ヶ月以上前から予約がいっぱいになるというから恐れ入る。
豪ドル安の今、リーズナブルな料金で、極上のリラクゼーションが満喫できるとあっては、見逃すわけにはいかない。がんばる自分へのささやかなご褒美に、ぜひお試しあれ。
生き生きとした自分を再発見するために――。
(JALグループ機内誌「ウインズ」01年10月号掲載)
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