■オージー・シーフード(!)に舌鼓
【2003年3月26日】
オージー・ビーフの浸透のせいか、「オーストラリアじゃ肉ばっかり食べてるんでしょ?」と聞かれることがある。心外である。シドニーに関していえば、ありとあらゆる国の人が暮らすコスモポリタンな街だけあって、食材は驚くほど豊富に揃っている。事情を知れば知るほど、ディープで多様な食文化には圧倒される。
地形や気候を考えれば当然のことながら、この国は海の幸にも恵まれている。特に、シドニーのピアモント地区にあるフィッシュ・マーケットは、南半球一の規模! たった人口400万人の街の魚市場なのに、取り扱う魚介類の種類においては、築地に次いで世界で2番目に多いのだ。
マーケット内には卸売り市場だけでなく、一般向けの大手の魚屋6店が並び、オイスター専門店、レストラン、寿司屋、デリ、果物屋、パン屋なども揃っている。特に週末は、買い物がてら、ランチを食べにくる人たちで、駐車場がいっぱいになるほどにぎわう。
寿司屋のカウンターに座り、超新鮮なネタをおまかせでにぎってもらっても、懐の心配をしなくてもいいのはシドニーならでは。向かいの酒屋で買ってきたアルコールの持ち込み(BYO=Bring
Your Own)もOKだ。このお店、近いうちに回転寿司にする、という話(ああ、もったいない……)も出ているので、行くならどうぞお早めに!
アウトドア好きなシドニーっ子に倣って、ブラックワトル湾に面した桟橋に並ぶパラソルの下
のベンチに陣取り、できたてのバーベーキューやフライものを食べたり、芝生の上で太陽の光をさんさんと浴びながら、冷えた白ワイン片手に、開けてもらったばかりのカキにレモンを搾って食すのも悪くない。お好みとあらば、ロブスターだって食べられる。
卸売り市場で毎朝5時半から行われる競りは、「ダッチ・クロック・オークション」と呼ばれ、オランダのチューリップ市場と同じ方式を採用している。オークション用の時計には、目盛りが100(セント)まで付いていて、1周ごとに値段が1ドル下がっていくのだ。1周するのにかかるのは3秒。買い手(バイヤー)は瞬時の判断で手元のボタンを押して、「競り下げる」というワケだ。時計には、オークション番号、キロ当たりの料金、買い手の名前、売り手の名前、クレート当たりの重さ、魚の種類、保管場所など必要な情報がすべて電光表示されるため、静かに、かつ素早く買い手が決まっていく。ただし、マグロと甲殻類だけは、伝統的(?)な競りのやり方で行われ、一番高い値をつけた買い手の手に渡る。
興味があれば、ガイド付きのオークション見学ツアーや、有名シェフも度々講師として登場するシーフード・スクールに参加してみるのもおもしろい。
(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
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■シドニーの物価情報 【魚介類編】
■シドニー・フィッシュ・マーケット
Sydney Fish Market Blackwattle Bay, Pyrmont
02-9004-1100
セントラル駅からメトロ・ライト・レールを利用するのが便利。フィッシュ・マーケット駅下車。(片道$3.60、往復$4.90)
◆オークション見学ツアー
開催日時: 毎月第一木曜日6:55〜
料金: $20(インフォメーション・キット、コーヒー、駐車場代込み)
◆シドニー・シーフード・スクール 開催日時: シドニー・フィッシュ・マーケットのウェブサイト参照
料金: $70〜 |