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ジェットスター搭乗記
【2004年6月25日】

カンタスグループの新規格安航空会社ジェットスターを利用して、ゴールドコーストへ行ってきた。チケットは就航記念料金で片道$29。(ジェットスター路線網発表&チケット販売開始参照)。ちなみに、長距離バス大手のマカファティーズやグレイハウンドの同区間の通常料金は$95だ。

「1分でも遅れたらアウト!」という厳格なチェックイン・ルールのせいで、5月25日の就航以降ここ1ヵ月ばかりの間のジェットスター評は、あまり芳しくない。数分遅れでチェックインに間に合わなかったばかりか、チケットが無効扱いとなり、払い戻しも受けられず、ほかの便や航空会社のチケット購入を余儀なくされた乗客が続出したからだ。

もっとも出発時間の30分前までにチェックインが必要、というのは、ヴァージン・ブルーやカンタスの国内線にも共通のルール。それでも、数分程度の遅れであれば、「今回だけ特別ね」などと言いながら搭乗手続きしてくれるのが、これまでのいわば「常識」だった。

ところが、ジェットスターは、「空港行きのバスが遅延した」「空港の駐車場が込んでいた」「カウンターに行列ができていた」など、さまざまな理由でほんの少し遅れた乗客に対し、"Sorry, we can't get you on"ときっぱり搭乗拒否。中には、出発時間が遅れていたにも関わらず、搭乗できなかったケースもあるとか。

そんなわけで、ゼッタイ遅れられないなあ、と思っていたのに、出発の朝、頼んだタクシーがやってこない。やむをえず車で空港に向かい、長期用駐車場に入れて、出発時間の35分前にチェックイン・カウンターに到着。荷物を預けて、搭乗券をもらい、「ぎりぎりセーフ!」と思ったら、たった今フライト・キャンセルになったから、サービスカウンターに行けという。ほかの乗客と共にフライト変更手続きを待ちながら、「もちろんコーヒーくらいは出るんでしょ」と聞いたら、「ターミナルに行けば、コーヒーでも何でも好きなものが買えるわ。そこで、たった2〜3時間待てばいいだけなんだから」という返事。むむっ。自分たちは、1分も待たないクセに、乗客には「たった」3時間くらい黙って待てというわけか……。格安がウリの航空会社に「カスタマーサービス」なんて期待してはいけないのだ。呆然とするほかの乗客たちを横目に、往復30分もかからない家にとっとと引き上げたのはいうまでもない(駐車場のおじさんは、フライト・キャンセルと聞いてタダにしてくれたっけ……)。

変更後のフライトにあわせて出発の30分前に空港に戻ってみると、ゲートにはずらりと行列ができていた。子供連れなどの優先はあるが、ジェットスターは座席の指定がない。搭乗券の発行番号順(1〜50、50〜100……)に搭乗案内アナウンスが行われるから、なるべく早く搭乗して希望の席を確保しようと考える人がいるのだ。要するに早いモン勝ちで、空港に着くのが遅ければ、必然的に乗り込むのも遅くなり、がんばって空席を探さなければならなくなる。さすがに、搭乗券を座席数より多く発行することはないだろうけど。

機内サービスは販売形式。ビールやワイン、スピリッツ類などアルコール($5〜6)だけでなく、ソフトドリンク($2〜3)や食事、スナックもすべて有料で提供される。食事メニューは軽食が中心で、特別食がいる場合は自分で持ち込む必要がある。来月から順次導入予定のエアバスA320では音楽プログラムが用意されているが、ヘッドセットも有料となる。

ジェットスターのスケジュールによると、シドニー〜ゴールドコースト(クーランガッタ)間の飛行時間は通常1時間25分。復路では、最後の乗客が乗り込んだと思ったらすぐバタバタと出発し、なんと予定時間より20分も早く到着した。最初から最後まで、ホントにバスに乗っている気分だった。

ちなみに、カンタスの5000番台のフライト(QF5000〜5999)はジェットスターとのコードシェア便。機材や乗務員はジェットスターの担当で、サービスもカンタスとは異なっている。もちろん機内サービスは有料で、乗り継ぎサービスが利用できない、マイレージの加算対象にならない、といった具合なので、注意が必要だ。何よりも大事なのは、1分たりとも遅れないこと。やっぱりコレに尽きるかも。 

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)
 
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