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「あいにくずっと晴れ」って……?
【2006年9月16日】

深刻な干ばつが続くシドニーでは、罰金付きの節水規制が2003年10月から継続しています。最近では、「あいにくずっと晴れが続きます」「いいニュースです。今週末は雨が降るでしょう」といった天気予報官のコメントにも違和感を覚えなくなりました。

何しろオーストラリアは、世界一乾いた大陸。金だの、ダイヤモンドだの、鉄鉱石だの、石炭だのがたっぷり埋蔵されている資源大国ながら、生きていくためにゼッタイ必要な資源である水は万年不足しているのです。

現在適用されて規制はレベル3と呼ばれる3段階目。スプリンクラーによる水撒きや、ホースを使って洗車するのは全面禁止で、庭木や芝生への散水は、水・日曜日の午前10時前か午後4時以降ならOKといった具合です。一方で、雨水タンクの設置に補助が出たり、節水型洗濯機を購入するとリベート(A$150)が返金されたり、無料の節水キットが配布されたりもしています。

さて、その成果は……というと、規制導入時に比べると週平均使用量は25%以上減少したそう(12,278ML→9,001ML)。日常生活でもシャワーは短めに、洗濯はまとめて……と誰もが心がけて暮らすようになったおかげなのでしょうね。それでもダムの貯水量はもうすぐ40%を切りそうになっています(先週降り続いたあのどしゃぶりの雨は何だったんだ……)。

オーストラリア滞在中に、宿泊先のホテルのバスルームで右のような案内(「引き続きタオルを使用する場合はタオル掛けへ、交換する必要があるタオルはバスタブへ」と書かれています)を見たり、ホームステイ先で「洗濯は週1回ね」と言われたりしたときには、そういう背景があることにもちょっぴり思いをはせてみてくださいね。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
 
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