■野生のイルカと泳ぐとっておきのイルカ月間
【2007年12月26日】
2007年は、国連環境計画(UNEP)が定めた「国際イルカ年」。オフィシャル・ロゴに“Extended to 2008”と記されているように、野生のイルカ保護のための国境を超えたキャンペーン活動は、来年(2008年)にも継続されることが決定しました。わたしの携わるエコツアー会社も、国際イルカ年公式サポーターに認定されていて、微力ながら、活動に関わっているのですが、今月は、オーストラリアの海3ヵ所で数えきれないほどの野生のイルカの群れと泳ぐ機会に恵まれ、個人的にもとっておきの「イルカ月間」となりました。
まず一つ目は、地元ポート・スティーブンスで企画・運営したドルフィン・セラピーです。このプログラムが特別なのは、『イルカは、なぜ人の心を癒すのか』の著者オリヴィア・ド・ベルジュラック博士を迎えての「ドルフィン・ウィズイン・プログラム」を中心に据えていること。ただイルカと泳ぐことを目的にするのではなく、2度と同じ状況が繰り返されることのないヒーリング体験が、個々の参加者の普段の生活や将来につながっていくように構成されています。
餌付けされていない100%野生のイルカと実際に自由な状態で泳いでみれば、その癒し効果は自明ながら、このセラピーでは、ドルフィン・スイムの前後に一人ひとりの脳波も測定します。泳いだ後に、深いリラックス状態を示すシータ波が出現したり、増加するのを目の当たりにした参加者からは、あらためて驚きの声があがっていました。
あとの2ヵ所は、休暇で訪れた南オーストラリア州でのドルフィン・スイム。アデレード郊外のグレネルグでは、船の後ろに繋がれたロープにつかまるスタイルで、フリー・スイムのベアード・ベイの方は、目をパチクリと開けて愛くるしい顔で近寄ってくるアシカとも一緒に泳ぐことができちゃう何ともステキなところでした。
人によって感じ方は違うのでしょうが、イルカの鳴き声は、音として耳から聞こえてくるのではなく、体の内側を震わせるように響いてきます。安らかな幸せ感にすっぽり包まれるような心地よい感覚は、ずっと大切にしたい宝物のようなもの。
このステキな地球環境を未来に残し続けるために、今わたしたちができることは何なのかなあ……というデッカイ宿題は、どうやら来年に持ち越しのようです。
どうぞみなさま、よいお年を!
(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)
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