シルク・ドゥ・ソレイユ（Cirque du Soleil）がシドニーに来ています。シティから車で約5分のムア・パークにあるエンターテインメント・クォーターの一角には、観客2,600人が収容できる大テント「The Grand Chapiteau」が出現。140人のスタッフが7日がかりで設営した会場の設備はほぼすべて自前で、外部から必要なのは水道と下水管くらいなのだとか。

会場前のようす

日本でも大人気なので、ご存じの方もたくさんいらっしゃるでしょうが、シルク・ドゥ・ソレイユは、カナダ･ケベック州でのストリートパフォーマンスを原点とする世界的なエンターテインメント劇団。年間観客動員数はなんと1,000万人に手が届きそうな勢いで、ラスベガスを中心に専用常設シアターを8つ展開するほか、世界各地で多数の巡回ツアー公演を行っています。

現在シドニーで上演中の『ドラリオン（DRALION）』は、古代中国を表わす「ドラゴン」と、現代西洋を表す「ライオン」を合わせた造語。その名の通り、東の伝統と西の前衛を融合した繊細かつダイナミックなショーで、自然界の「空」「火」「水」「土」の4要素をモチーフにした大傑作なのです。

荷重320キロの電球の上でのパフォーマンス「バレエ・オン・ライト」
(c) Al Seib （コスチューム：Francois Barbeau）

客席は円形の舞台を囲むようにすり鉢状に配置され、最後列でもステージとの距離をそれほど感じることはなさそうな反面、かなり角度が違うので、セクションによって演目の見どころは異なりそう。お祝いごとがらみで足を運んだわたしの場合は、ラッキーなことに本来タピ・ルージュ用の最前列のド真ん中というかぶりつき（？）の席が確保できたので、パフォーマーたちの呼吸まで感じられそうな至近距離から微妙な表情の変化まで見ることができ、ドキドキ度最高潮の2時間半を過ごしました。

人間の極限に挑むアクロバティックなワザはもちろんのこと、ライブの音楽や照明、衣装などをひっくるめた総合芸術的な舞台全体が、シルク・ドゥ・ソレイユの魅力で、時折起こる小さなハプニングも生の人間だからこそ。息を詰めて見守っていた観客が思わずもらす感嘆の声や鳴りやまない拍手、さらに演じる側の“ハッピー”が伝染していくことで創られる舞台は、二度と再現されることのない「今この時だけ」のものなのです。

今年10月には、東京ディズニーリゾート内にも常設劇場がオープン！……ということで、日本でもシルク・ドゥ・ソレイユの注目度がアップするのは必至。もう一度感動と興奮を味わいたいというファンの方のみならず、未体験の方も、来豪の際にぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか？

●シルク・ドゥ・ソレイユ『ドラリオン』シドニー公演
　 期間： 2008年7月17日〜9月28日
　 場所： The Grand Chapiteau, The Entertainment Quarter, 122 Lang Road, Moore Park
　 チケット料金： 大人A55〜119　※タピ・ルージュはA$250〜270
　 ウェブサイト： http://www.cirquedusoleil.com
　 （↑座席表を見ながらチケットが購入できます）
※シドニー公演終了後は、キャンベラ（2008年10月23日〜11月9日）、ブリスベン（2008年11月27日〜12月21日）、パース（2009年）、メルボルン（2009年）で上演予定。